「ごめんくださーい」
ある昼下がりの時間に、1人の若い男が家を訪れてきた。
セールスマンではなさそうだけど…スーツ姿がまだあどけない新人の雰囲気があった。
私の名前は秀美。29歳のごく普通の主婦です。12歳年上の夫とは何ら不自由なく普通に夫婦生活を送っていました。ただ性生活のほうは全くダメで結婚してからすぐに疎遠な形となりました。
毎日毎日、家事に明け暮れ家にいることが苦痛な感じで…かといって何か始めようとしても続かず、人生の岐路にたたされた気持ちでした。
彼に会うまでは…
「あの…佐藤部長に言われて、書斎にある会社資料を取りに伺ったのですが…」
スーツ姿の男は、キョドキョドしながら言った。
「あ、ちょっとま待ってて。確認しに行ってみるから。」
「はい。すみません」
そう言葉を交わしながら、わたしは、そそくさと夫の書斎へと足を向けた。